おおぐち泌尿器クリニック|岐阜県瑞穂市の泌尿器科|診療内容のご案内

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おおぐち泌尿器クリニック
岐阜県瑞穂市別府738番1
TEL:058–329–3088

小児泌尿器

主な病気について

停留精巣 遊走精巣
陰嚢水腫
精巣捻転症
包茎
亀頭包皮炎
水腎症
膀胱尿管逆流症
尿失禁(遺尿症、夜尿症)

小児泌尿器科疾患はすぐに命にかかわることは極めて少なく、緊急で手術が必要な疾患もわずかです。手術をしないですむ可能性があるものは、できるだけ手術せずに様子をみることも可能です。クリニックレベルで経過観察可能な疾患もありますし、小児専門病院のほうが良い場合もあります。
最終的にはご両親と相談の上、希望される方針を選んで頂きます。そのために必要な情報はお話し、手術が必要な場合やご希望なら小児泌尿器専門病院への紹介をいたします。
不安な事、心配なことがあればいつでもどうぞお気軽にご相談ください。

停留精巣

精巣が陰嚢内に降りていない状態です。多くの場合、下腹部(鼠径部)に精巣を触れます。生後6カ月を越えると自然に下降することはなく、陰嚢内に降ろしてあげるには手術しか方法がありません。陰嚢は体温より2度ほど低く、精巣の発育に適した環境と言われています。治療により思春期以後の将来の精子の形成能力をよくできる可能性があります。
停留精巣は通常の精巣に比べ悪性化しやすいといわれています。残念ながら幼児期の治療により癌化率を下げることが出来るかどうかは不明です。しかし治療により精巣を陰嚢内に降ろしておくと万一の場合に早期発見しやすくなるという利点があります。停留精巣であると診断した場合はしかるべき病院へ紹介いたします。

遊走精巣(移動性精巣)

よく停留精巣と間違われる病気です。精巣の固定が不十分なために陰嚢内に触れたり触れなかったりします。基本的に手術は必要なく精巣がしっかりした大きさであれば、大半は自然に治ります。
手術をしなければならない場合でも時期は精巣の状態によっていろいろです。したがって移動する間は経過観察が必要です。

陰嚢水腫

精巣の周囲に水がたまり陰嚢が膨らんだ状態です。腫れても痛みがでることはほとんどありません。1才までは自然消失する可能性がありますので、それまでは様子をみます。それ以降は自然に治ることは少なく、急ぐ必要はありませんが手術を考慮します。
通常は水腫とお腹の中との間に交通がありますので、体位によって陰嚢がふくらんだりしぼんだりします。

精巣捻転

数少ない緊急手術の対応になる疾患です。
どちらかの陰嚢が発赤し脹れて痛みを訴えます。これは解剖学的な問題で陰嚢の中で精巣が回転して精巣に血液がいかなくなることで起こります。発症から12時間以内に処置しないと精巣は壊死し摘除せざるを得なくなります。
おかしいと思ったらすぐに泌尿器科を受診してください。夜間でも朝まで待たず泌尿器科常勤医がいる病院の救急外来を受診することをお勧めします。

包茎

包茎とはおちんちんの先端が狭いために包皮をむいても亀頭部が完全に露出できない状態をいいます。
出生時、亀頭は包皮で完全に覆われ、亀頭表面と包皮の内側はぴったりとくっ付いて剥がれない状態です。乳児期から幼児期にかけて、包皮の下に黄色い脂肪のかたまりのようなものが透けて見えるようにあります。これは皮膚の表面の新陳代謝によりできた垢であり(恥垢)これにより包皮と亀頭に隙間ができるようになって剥がれやすくなります。学童期にはぴったりとくっ付いていた亀頭と包皮が剥がれ、包皮も軟らかく伸びやすくなります。さらに勃起現象によってきつかった包皮の出口(包皮口)も少しずつ引き伸ばされるようになります。この時期になると包皮の伸展性には個人差がありますが、包皮を用手的に押し下げれば亀頭がしっかり露出するようになります。
このように成長と共に自然に包皮がむけてくるので通常は特別な処置は必要ありません。
基本的に何もしないで自然経過を見ることをおすすめしています。
包皮口が狭いと排尿時に尿が包皮と亀頭の間に尿が溜まりおちんちんの先端が風船状にふくらむことがあります(バルーニング)これも特別な処置は要しません。

ただし、次のような場合は治療が必要になります。
後述する亀頭包皮炎をくり返し包皮口が堅くなり、排尿困難や尿が散乱し、将来的にも用手的に翻転が不可能と判断されれば何らかの治療が必要になる場合があります。
包茎なのかどうかわからない場合は遠慮なくご相談ください。

亀頭包皮炎

おちんちんの先端が赤く腫れて痛がるということがあります。これは亀頭包皮炎といって短期間の抗菌薬の内服でよくなります。普段から入浴時に痛がらない程度に包皮をおろして、おちんちんの先を洗ってあげて下さい。亀頭部の癒着が徐々にとれて亀頭部が露出できるようになり、またこのことで亀頭包皮炎をある程度予防することができます。
決して無理に剝こうとはしないでください。過度に剝けてしまった場合はすぐに元へ戻してください。

水腎症

小児における狭窄病変の好発部位は腎盂尿管移行部、尿管膀胱移行部、後部尿道(尿道の膀胱に近い部位)で、それぞれ先天性水腎症、巨大尿管症、後部尿道弁と呼びます。いずれも尿路感染症や腎障害の原因となります。特に、後部尿道弁は1ヵ所の病変で両側腎と膀胱にも影響を与えるため、発見時にはすでに腎不全となっていることもあり早急な治療が必要となります。一方、先天性水腎症や巨大尿管症は腎機能が正常で成長にともない自然治癒するお子さんがいることもわかってきました。そのため定期的に検査を行い、もし腎障害の徴候が出てきた場合、または腹痛などの症状が出た場合にその時点で手術をする、という方針が一般的となっています。
水腎症とは腎臓におしっこがたまる病気です。原因はいろいろありますが、診断は腹部超音波検査という最も簡単で侵襲のない検査で診断できます。
診断は容易につきますが、原因によってはさらなる検査が必要になる場合があります。その場合はしかるべく専門病院に紹介いたします。

膀胱尿管逆流症

排尿時に膀胱から尿管や腎臓に尿が逆流する病気で、小児の尿路感染の一番多い原因です。原因不明の38度以上の発熱がたびたび認められる場合はこの病気を疑う必要があります。逆流の程度により治療方針がかわります。
一旦腎盂尿管から膀胱へ流れた尿は、通常は決して尿管・腎盂へ逆流することはありません。様々な原因で膀胱内の尿が尿管・腎盂へ逆流する現象を膀胱尿管逆流(VUR)といいます。多くは先天的な尿管膀胱移行部の構造の異常(原発性VUR)によりますが、尿道の閉塞疾患により排尿時に膀胱内が高圧状態となるような場合にも生じます(続発性VUR)。
VURがあると腎盂腎炎(じんうじんえん)という最も重篤な尿路感染症を発症する危険性が高くなり、腎盂腎炎を繰り返すと腎臓に瘢痕(はんこん)というものが出来て、増えると腎臓の機能が低下することがあります。腎臓の瘢痕や腎臓の正確な大きさは腎シンチグラムという検査で診断できます。
VURの診断には排尿時の造影レントゲン検査(排尿時膀胱尿道造影)が診断には必要ですので、疑わしい場合はしかるべく専門病院に紹介いたします。

尿失禁(おもらし、夜尿症)

膀胱に尿をためられる量(膀胱容量)は12歳頃までに成人量に達します。
通常、2歳頃になると、トイレを知らせてくれる年齢にもなってくるので、この時期くらいからトイレットトレーニング等で、漏らさないということを意識し始めます。その後抗利尿ホルモンの働きで昼夜の区別が付いてき始め夜間の排尿が減っていきます。ちなみに、このコントロールは3~4歳ごろに完成するとされています。ただしこの発達の程度は個人差があります。
それまでの間は時々おもらしがあったり、おしっこが近くてトイレに間に合わずにもれたりするのはある程度しかたがありません。特に夜尿症は長く続くことがあります。お子さんの発育を気長に待ってあげて下さい。あせらず、起こさず、怒らずの三原則です。薬は色々ありますが、当院では副作用の多い西洋薬は使用せず、その子の体調に合わせて漢方薬と鍼灸(針とお灸)を用いて治療します。お子さんが便秘をしていないかよく観察してください。冷たい物や甘いものは控えましょう。添加物の多いコンビニ食やファーストフードはやめましょう。
不安な時はいつでもご相談ください。